始める前に BEFORE HOUSE-MAKING , BEFORE REMODEL

はじめに 家づくりはコンセプトから

 家を建てる、維持することは、これからの大人の基本的教養です。住宅に関する知識と技術、知恵が必要な時代になったのです。例えば、アメリカやヨーロッパでは、自分たち家族の家を建てたりメンテナンスしたりするのは父親の役割であり、この技術と知識のない男性は結婚もできないのだそうです。家族の今の状況に合った家をつくり(買い)、自分たちにぴったりの家にチューニングすること、そしてメンテナンスを欠かさず家の資産価値を落とさないようにする知恵が必要なのです。日本もそのような時代になってきています。

 将来住んでみたい自分の家のイメージを漢字一字で表すとどうなるでしょうか?自分たち家族の家を建てる時、一番大事なのはコンセプトです。コンセプトは「概念」という意味です。コンセプトを明確にする為に漢字一字で表してみるのです。一文字ですから、ホントに核の中の核、最も自分が大事にしたい「思い」を表すことになります。そして、その一文字をふくらませていきましょう。箇条書きの文章にしても良いですし、簡単な図にするのも良いでしょう。

 家を建てるときは、様々な決断を要します。その決断は、技術とか予算とかに縛られて行わなくてはなりません。また、他人からの助言もあります。あれこれ迷っているうちに、いつのまにか自分の欲しかった家じゃないものが建ってしまうことがままあるわけです。営業マンに押し切られてしまう、なんてよく聞く話ですが、それは防がなければなりません。家は大きなお買い物です。気に入らなかったからといって、すぐ買い換えられるものではありません。ですから、自分たちがどんな家が欲しいのか、その核となるコンセプトをはっきりさせましょう。それは軸足を固定することになります。軸足がぶれないようにすれば、自分たちの欲しい家を見失わなくてすみます。迷ったら必ずそこに立ち返れば良いのです。

 コンセプトがはっきりしたら、それを具体化します。具体化する時には技術と経験豊富な人のサポートが必要です。人にお任せするだけではいい家はできません。あくまで、自分の欲しい家は自分で決めなくてはいけません。建て主のコンセプトが明確だから、設計士も業者もその技術力を発揮してくれるのです。

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