始める前に BEFORE HOUSE-MAKING , BEFORE REMODEL

イメージづくり 5つのポイント

 「家づくり」にはイメージづくりが大事です。そして、それは「家に対する要望」をまとめること、つまり「家づくりノート」にまとめることです。では、そのイメージづくりにおけるポイントを、五つにわけて考えていきましょう。

 一つ目のポイントは、「最初の段階では漠然としたイメージ程度で良く、あまり細かく決めないこと」です。「イメージ」という言葉自体が漠然としたものである様に、家に対するイメージづくりもそれで良いのです。イメージは情報収集と並行しながら徐々に作りあげていくものですから、決めつけてかかると他の情報に目がいかなくなり、結果として片手落ちな情報収集によるイメージづくりになってしまう可能性が高いからです。

 外観・内観・各部仕様など、細かく言い出せばきりがないのですが、最初から細部をイメージする必要はありません。まずは、外観・内観程度で良いと思います。例えば、外観なら、洋風・和風・北欧風・南欧風等、見た目の雰囲気を、内観なら、ウッディー・モダン・シック・シンプル等、インテリアのテイストをイメージする程度から始めれば良いと思います。

 ここで大事なことは、「ご家族皆さんの意見(イメージ)をまとめておくこと」です。これが二つ目のポイントです。最後には一つしか選べない訳ですから、個々の意見を尊重しながら、具体論(各論)に入る前に、相談の上、総意をまとめておかれる事をお勧めします。

 外観・内観のイメージができたら、三つ目のポイントは、「できるだけ具体的な要望をまとめ、夢や憧れとして描いていた機能や設備なども付け足していくこと」です。ところが、よくある話ですが、具体的に要望を出せと言われると、意外と出てこないもので、行き詰まる方々を良くお見受けします。では、どうすれば良いのでしょう?答えは意外と簡単なのです。

 まず、ご家族の皆さんが、現状のお住まいに対してお持ちの不満点・改善点を個々に書き出してみる事です。自ずとこれからの計画に対する要望が具体的に出てきます。
 例えば、暑い、寒い、狭い、暗い、カビ・ダニ、湿気、収納、使い勝手・・・等々、誰でも現状の不満点・改善点は直ぐに堰を切った様に言い出せるものです。
 この時に出てきた事項への対策が、今後の計画における最低限の要望事項になるのです。

 さらにこの上に、夢や憬れていたものを付け足していきましょう。贅沢品だと言われる様なものも含め、今までの家に無かった機能・設備、あるいは、ご家族の近い将来像を想定した時に必要となるものまで、考えられるものは全て出してみる事です。ここではあまり予算の事は考えず、思い付くものは一旦全て出してみる事をお勧めします。
 採用できるか否かの判断は、もっと計画が具体的になって、予算と要望の優先順位との対比段階になって決めれば良いのです。
 最初から夢や憧れ部分を諦めてはいけません。可能な限り残しておきましょう。全ての要望を「家づくりノート」に書き留め、その時期が来たら見直しましょう。家づくりがいつしか人生の目的となり、他のことが犠牲になることは本末転倒な話です。

 四つ目のポイントは、「可能な範囲で、必ず採用する要望と、予算次第で実施することが可能な要望を整理しておくこと」です。予算次第の要望については、さらにその優先順位を明確にしておければベストです。

 そして、最後の五つ目のポイントは、「プラン=間取り」を具体的にイメージすることです。
 まず、基本的なことですが「部屋数」です。最低限必要な部屋数、あるいは、将来必ず必要となるであろうと想定される部屋数を具体的に考えましょう。
 お子様がいない、まだ小さい、あるいはこれから考えられている場合等、お子様の人数によっても間取りの考え方が変わってきます。また、お子様の性別が同性か異性かによっても、将来の部屋の取り方が変わってきますので、さらなる注意が必要です。

 次に、いわゆるプラン(部屋の組み合わせ方)を考えていきますが、このプラン次第で、住み易い家にもなり、住みづらい家にもなってしまうのです。
 この部分だけは、イメージだけで組み立てる事は禁物です。必ず、具体的に、現状のライフスタイルや習慣に加え、いわゆる毎日の実動線などを想定して、使い易いプランを考えなければなりません。
 また、業者の提案だけを鵜呑みにしてイメージを作ってはいけません。実際に住まわれるのはご家族であり、ご家族の使い勝手を最優先に考えて、決めなければなりません。
 このプランにおける要検討事項は多岐に亘りますが、主な最低限の九つの検討項目を挙げておきます。

  1. 収納(収納量と配置の確認)
  2. 水廻り動線の確保(キッチン・洗濯・洗面脱衣等)
  3. 採光(玄関・廊下・階段等の明るさ)
  4. 共用スペースの無駄(廊下・ホール等)
  5. 換気・通風(自然換気・一室二窓・南北の窓)
  6. セキュリティー対策
  7. 音対策(上下階・キッチン/リビング)
  8. 衛生対策(生ゴミ保持・処理・動線)
  9. 可変性の考慮(将来の家族構成変化への対応等の想定)

 その他にも細かい検討事項はたくさんありますが、少なくともこれらの項目程度はチェックしながら、プランを考えていく事をお勧めします。

 ただ、プランというものは数限りなく存在し、答えは一つとは限りません。
 例えば、平日の朝・夜の家族の行動パターン、平日と週末の過ごし方、という二つのケースを想定するだけでも、ご家族皆さんの動き方や居場所も異なり、物の配置や収納など、あれこれ思いつくことが出てくるはずです。
 実際には、家族全員の行動パターンは異なる訳で、特に小さなお子様がいらっしゃるご家族では、将来を想定しながらプランを組み立てる事が重要になります。

前のページ次のページ